フランス女性の中で最も有名な少女といえば「ジャンヌ・ダルク(Jeanne d'Arc)」を大多数の人が挙げるでしょう。彼女の名前「ジャンヌ」は、洗礼者ヨハネのラテン語名「ヨハンネス(Johannes)」の女性形「ヨハンナ(Johanna)」から変化したいくつかの名前のひとつです。
神に近しい者の名前を持った彼女ですが、皮肉なことに魔女裁判の判決文では「ジャンヌ」ではなく聖なる名前であるはずの「ヨハンナ」と書かれてしまいました。これは神の声を聴き、信仰を胸に抱いて戦ってきた彼女にとっては耐えがたい屈辱だったのではないでしょうか。
フランスでは特にナポレオン戦争の時代に祖国愛の象徴としてジャンヌ・ダルクは熱狂的に愛され、彼女の名誉はみごとに回復しました。
ジャンヌ・ダルクの人気は英語圏にまで広がり、「ジャンヌ」の英語形「ジェイン」や「ジャネット」の名を持つ女性も多くいました。