ギリシャ起源名の中でも「ヘレネ(Helene)」は各国で親しまれている女性名です。神話に登場するヘレネはギリシャ神話の最高神ゼウスの娘で、美と愛の女神アフロディテすらも嫉妬するほどの美女と記述されています。その絶世の美貌は全ての怒りをなえさせるほどとも言われ、長き年月にわたる戦争の苦難も彼女のためならば耐えられるとまで語られています。
またヘレネの変化形「ヘレナ(Helena)」は、キリストが磔にされた真の十字架の発見者と伝えられる聖ヘレナにあやかる名前としてキリスト教徒に広まっています。
ヘレネに関する記述があるホメロスの『イリアス』『オデュッセイア』はギリシャ・ローマ古典時代を知るのに重要な基盤となっていました。そのため文学作品に彼女の名(及び派生名)が登場することもしばしばあります。
ゲーテの『ファウスト』に登場するヘーレナ(Helena)やエドガー・アラン・ポーの詩『To Helen』がその代表です。